コラム
百日咳の症状
百日咳は、頑固で引きつるような咳が特徴の病気で、特に夜間には息が止まりそうな咳がみられます。
また、咳が1か月、2か月と長引くこともあり、非常に厄介な疾患です。
発熱を伴わないことも多く、診断が遅れるケースも少なくありません。
最近では、山口市でも百日咳の患者さんが増えているようです。
当院でも3月に、6歳、12歳、14歳の患者さん3人に百日咳の診断を行いました。
百日咳のワクチンは、現在、5種混合ワクチンの中に含まれています。
以前は4種混合ワクチン、さらにその前は3種混合ワクチンに含まれていました。
生後2か月から接種が始まり、1歳過ぎまでに4回接種します。
そのため、生後2か月から5歳ごろまでの子どもは、百日咳に感染・発症することがあまりありません。
特に注意が必要なのは、生後2か月未満でワクチン接種がまだ行われていない赤ちゃんです。
この時期に感染すると、肺炎などを起こして非常に重症化する恐れがあります。
感染経路の多くは、家族内に百日咳の患者さんがいて感染するケースです。
感染者は5歳から15歳までの子どもたちが多く、全体の約64%を占めます。
1歳で4回の接種が完了しても、5〜6年後にはワクチンの効果が低下し、再び感染しやすくなると考えられています。
そのため、日本小児科学会では、6歳と小学校6年生の時期に3種混合ワクチンの追加接種を推奨しています。
ただし、任意接種(有料)であるため、実際に接種を受ける方は多くありません。
現在、小学校6年生では2種混合ワクチン(※百日咳ワクチンは含まれていません)が定期接種(無料)となっていますが、
今後、3種混合ワクチンが定期接種になれば良いと考えています。