夜尿症外来
専門の医師を紹介
当院には夜尿症の専門医と連携して、夜尿症外来に対応しています。
非常勤の入江田美和代氏は「日本夜尿症学会」と「日本小児科学会」に所属し、夜尿症治療の実績・経験も豊富です。
診療をご希望の方は事前にご予約の上ご来院ください。
夜尿症とは
夜尿症は、夜間の排尿をコントロールする機能がまだ十分に発達していないことが原因と考えられています。
自然に治ることも多いですが、夜中に何度も起きなければならないため、お子様の睡眠を妨げたり、自信をなくさせたりすることもあります。
気になる場合は、早めに病院を受診しましょう。
夜尿症とおねしょの違い
夜尿症とおねしょは、どちらも寝ている間に尿を漏らしてしまうという点では似ています。
しかし、年齢によって呼び名がかわるのが大きな違いです。
おねしょ
一般的に、5歳未満の子どもが夜寝ている間に尿を漏らしてしまうことを指します。
この年齢の子どもは、排尿をコントロールする機能がまだ未発達のため、おねしょをしてしまうことは自然なことです。
夜尿症
5歳を過ぎても、月に1回以上、3か月以上続けておねしょが続く場合を夜尿症と呼びます。
この場合は、単なる発達の遅れではなく、何らかの原因が考えられます。
夜尿症の原因
夜尿症の主な原因には、就寝中に生成される尿の量が多いことや、膀胱に尿を溜めておける量が少ないことが挙げられます。
また、遺伝的な要因も指摘されており、両親のどちらかが夜尿症だった場合、子どもが発症しやすいことがわかっています。
夜尿症の子どもは深く眠っていることが多く、尿意を感じても目が覚めず、おねしょをしても気づかないことがよくあります。
ただし、昼間にも失禁があったり、成長や発育に問題が見られたり、便秘や便失禁がある場合は、夜尿症ではなく失禁など他の排尿障害が疑われます。
こういった症状が見られる場合は、早めに医師に相談することが大切です。
治療のタイミング・目安
夜尿症は成長とともに自然に改善されますが、その期間は思ったよりも長いことがあります。
毎年、夜尿症のお子様は10~15%ずつ減少しますが、このペースでは小学1年生の約半数が高学年になっても夜尿症が続く可能性があります。
そのため、早めにクリニックで診断を受け、継続的な治療を始めることが重要です。
ご本人やご家族が『このままで大丈夫かな』と不安を感じたら、それが治療を開始する良いタイミングです。
私たちと一緒に治療や改善方法を見つけ、早く夜尿症のない朝を迎えましょう。
夜尿症の治療
治療ではまず、生活習慣についてお子様やご家族と一緒に詳しく話し合います。
水分摂取の方法や排尿のリズムなどを確認することで、改善できるポイントが見つかることがあります。
その上で、尿量を減らす薬の使用や、アラーム療法と呼ばれる方法を試しながら、症状の緩和を目指していきます。
お子様にストレスがかからないよう、無理のないペースで進めていくことが大切です。
夜尿症の検査
治療を始める際には、まずなぜ夜尿が起きるのか、その原因を明らかにすることが重要です。
夜間の尿量が多い、膀胱に十分な量の尿をためられない、または睡眠に問題があるなど、さまざまな要因が考えられます。
お子様の夜尿の記録をもとに原因を突き止め、それに基づいた適切な治療を進めていきます。
さらに、尿路の問題や内科的な疾患が疑われる場合は、超音波検査や尿検査を実施し、状況に応じた対応を行います。
アラーム療法
アラーム療法(アラームトレーニング)は、水分を感知してアラームが鳴る装置を用いたトレーニング方法です。
この装置は、夜尿が発生するとセンサーが反応し音を鳴らすことで、徐々に膀胱に尿をためる能力を高めることを目的としています。
効果には個人差がありますが、適切にアラーム療法を実施すれば、高い有効性が期待できます。
当院では、アラーム療法の豊富な経験を活かして、しっかりとサポートいたします。
この治療法は膀胱の容量を増やすことを目的としており、トイレに行くためにお子様を起こすものではないため、睡眠に関して心配する必要はありません。
よくある質問
夜尿症対策のために、家庭で気を付けることはありますか?
規則正しい生活リズムを整え、無理に夜中に起こすことや厳しく叱ることは避け、治療を焦らずに進めていきましょう。
お子様がストレスを感じず、心身ともに健康な状態で治療に取り組める環境を整えることが、親御さんにとって最も大切なサポートとなります。
アラーム療法のメリットは?
アラーム療法は、習い事や部活動で十分な水分制限が難しいお子様にも適した治療法です。
薬を使用しないため、身体への負担や副作用の心配がありません。
また、治療後の再発が少ないことも利点です。
子どもが外泊をすることを怖がっています。対策方法はありますか?
ある程度の年齢になると、「修学旅行で漏らしてしまったらどうしよう」や「友達の前で安心して眠れない」といった対人関係に関する不安を抱えるお子様が増えてきます。宿泊スケジュールが決まった際には、受診時にその詳細をお知らせください。
共に対策を考えていきましょう。効果的なお薬を持参することで、さらに安心感が得られます。
また、お子様が嫌がらないのであれば、事前に引率の先生と相談しておくのも良いでしょう。
寝る前の水分摂取はどのくらいがベストですか?
寝る前の水分は、おねしょの原因になることがあります。
でも、水分を全く摂らないのは体に良くありません。
午前中にたくさん飲み、夜は少しだけにするなど、工夫してみましょう。
昼間のお漏らしと夜尿症は関係がありますか?
夜尿症のお子様の多くは、昼間の尿漏れなどの排尿トラブルも抱えていることがあります。
お子様の成長を心配されていることと思います。
これらの問題は、専門医の適切な治療により改善が見込めます。
一人で悩まず、お気軽にご相談ください。